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後編:やまうち農園の挑戦 ~6次産業化で広がる可能性~

はじめに

「やまうち農園株式会社」は、宮城県山元町にあるいちじくを中心に果樹を栽培する農園です。特に「完熟いちじく」へのこだわりを持ち、多品種のいちじくを栽培しています。やまうち農園の株式会社 専務取締役 山内裕貴さんと常務取締役 山内理恵さんに、6次産業化への挑戦や完熟いちじくへの思いについてお話を伺いました。

後編では、6次産業化への挑戦と商品開発の裏側、そしてこれから6次産業化を目指す生産者へのメッセージをお届けします。

6次産業化への挑戦

Q.6次産業化に挑戦しようとしたきっかけは何ですか?

完熟いちじくは非常においしいのですが、熟しすぎたり割れてしまったりしたものは流通に乗せられません。でも、それらは決して悪いものではなく、むしろ一番おいしい状態です。これを何かに活用できないかと考えたのがきっかけです。

最初は補助金を活用しながら、いちじくのセミドライやグラッセを作りました。次にお菓子作りに挑戦しようとしたとき、素人が作ったものを売るわけにはいかないと考えました。そこで、国際ホテルのパティシエの方に教えていただき、コラボ商品を作ることができました。これが定番商品となり、6次産業化の大きな一歩となりました。

また、宮城県の郷土食として「いちじくの甘露煮」があります。こちらは、昔からの家庭の味ですが、年々家庭で作る方が減りました。そこで、バイヤーの方に相談しながら「いちじくの甘露煮」を作りました。宮城県の食文化を大切にしたいという思いから出来上がりました。

Q.商品開発で苦労した点は何ですか?

やはり、素人だけで商品を作るのは難しいということです。例えば、いちじくのグミを作る際も、ゼライスさんや県の方々、地元の高校生たちの協力があったからこそ実現しました。グミは特に技術が必要で、解けない、固まる、賞味期限が長いといった条件を満たすのは簡単ではありません。プロの技術を借りることで、安心して提供できる商品が完成しました。

また、商品開発を進める中で「できること」と「できないこと」を見極めることが重要だと感じました。自分たちだけで無理をせず、技術を持った方々に頼ることで、品質の高い商品を作ることができます。

6次産業化を目指す生産者の方へ

Q.6次産業化に取り組む生産者へのメッセージをお願いします。

6次産業化を目指すなら、まずは行政や県の支援を頼ることをお勧めします。自分たちだけで完結しようとせず、技術を持った方々に教えてもらうことが大切です。私たちも、国際ホテルのパティシエやゼライスさんなど、プロの方々に教えていただいたおかげで、しっかりした商品を作ることができました。

また、宮城県には「農産漁村なりわい課」など、6次産業化をサポートしてくれる機関があります。やりたいことがあるなら、まずは相談してみてください。一人で悩む必要はありません。技術を持った方々や行政のサポートを受けることで、きっと道が開けるはずです。


 

完熟いちじくへのこだわりや、プロの技術を取り入れた商品開発は、地域資源を活用した新たな価値創造の好例です。

これから6次産業化に挑戦しようと考えている方は、ぜひやまうち農園の取り組みを参考にしてみてください。地域の魅力を最大限に活かし、次世代に誇れる商品を一緒に作り上げていきましょう。

【インタビュー企業関連HP】

HP: https://yamauchinouen.weebly.com/

Instagram:@yamauchinoen (出店情報など掲載されています!)

前編:やまうち農園の挑戦 ~完熟いちじくへのこだわり~

はじめに

「やまうち農園株式会社」は、宮城県山元町にあるいちじくを中心に果樹を栽培する農園です。特に「完熟いちじく」へのこだわりを持ち、多品種のいちじくを栽培しています。今回は、やまうち農園株式会社 専務取締役 山内裕貴さんと常務取締役 山内理恵さんに、6次産業化への挑戦や完熟いちじくへの思いについてお話を伺いました。

信念

Q.支援事業へ参加したきっかけは何ですか?

県の方からお声がけいただいたことがきっかけです。事業を広げるためのヒントを得られると思い、応募しました。

Q.事業を進める上で大切にしていることは何ですか?

一番大切にしているのは「信頼関係」です。農業や食の世界では、信頼がなければ成り立ちません。お互いに尊敬し合える関係を築くことが重要です。例えば、品質をしっかり守り続けたことで、決まった納期で定期的に送るのではなく、「いいものが出来た時はいつでも送っていいよ」と言ってもらえました。こういった信頼を得られるのは本当に助かります。逆に、信頼を損なうようなことが少しでもあれば、すぐに関係が切れてしまう厳しい世界です。

こだわり

Q.いちじくの多品種栽培をしている理由は何ですか?

実は、いちじくの多品種栽培は父の趣味がきっかけです。でも、いちじくをもっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、今では加工用・生食用併せて18品種を栽培しています。10年以上前は、東北地域でいちじくを食べる人はほとんどいなかったです。だからこそ、「いちじくって美味しいんだ」「こんなにいろいろな品種があるんだ」と知ってもらいたいです。いちじくの普及を目指しています。

 

Q.完熟いちじくへのこだわりについて教えてください

いちじくは育てるのは簡単だと思われがちですが、収穫して出荷するのがとても大変です。美味しく完熟したいちじくを収穫することにも、技術と経験が必要になります。そして、完熟したいちじくは柔らかく、虫が入っていないか、傷や割れがないか細かくチェックする必要があります。これを徹底しないと、本当においしいいちじくを届けることはできません。

Q.なぜ完熟にこだわるのですか?

本当においしいと思うものでなければ、いちじくは食卓に浸透しません。おいしいと思わないものは、次は買ってもらえないです。いちじくを「珍しい果物」ではなく、「普通の果物」として食卓に並ぶ存在にしたい。そのためには、完熟の状態で収穫し、本来の甘さやおいしさを届けることが大切だと考えています。


今回は、事業やいちじくに対する思いをお伺いしました。

後編では、やまうち農園が6次産業化に挑戦した背景や、商品開発の裏側について詳しくお話を伺います。6次産業化を目指す生産者の方々にとって、参考になるヒントが満載です。お楽しみに!

【インタビュー企業関連HP】

HP: https://yamauchinouen.weebly.com/

Instagram:@yamauchinoen (出店情報など掲載されています!)