目次
はじめに
6次化で商品を作ったら、次に大切なのがパッケージです。どんなに美味しい商品でも、パッケージが魅力的でなければ手に取ってもらえません。一方で、食品表示には法令で定められたルールがあり、守らなければ販売できません。
本コラムでは、「売れる見た目」と「法令遵守」を両立させるための実務ポイントをお伝えします。
※食品表示の詳細なルールは複雑で、商品や販売形態により異なります。必ず管轄の保健所や専門機関にご相談ください。
パッケージが果たす3つの役割
① 商品を保護する
- 中身を守る(破損、汚れ、乾燥、湿気)
- 賞味期限内の品質を保つ
② 情報を伝える
- 商品名、原材料、賞味期限、製造者情報
- 法令で定められた表示は必須
③ 購買意欲を高める
- 棚で目立つ
- 商品の価値を伝える
- 「買いたい」と思わせる
売れるパッケージデザインの5原則
原則① 遠くからでも目立つ
実践方法
- 色のコントラストを明確に(背景と文字)
- 商品名は大きく、遠くからでも読める
- 情報を詰め込みすぎない
例:ジャムなら、果物の写真+大きく「いちごジャム」
原則② 商品の価値を一目で伝える
伝えるべき価値
- 「地元産」「無添加」「手作り」「季節限定」
- 「米粉100%」「規格外野菜活用」
例
- 「朝採れいちごの手作りジャム」
- 「米粉100% ふわふわシフォン」
原則③ ターゲットに合ったデザイン
| ターゲット | デザインの方向性 | 色・フォントの例 |
|---|---|---|
| 若い女性 | おしゃれ、かわいい | パステルカラー、手書き風 |
| 主婦層 | 安心、信頼、実用的 | ナチュラルカラー、読みやすい |
| ギフト用途 | 高級感、特別感 | 落ち着いた色、上質な素材 |
原則④ ブランドの統一感を作る
統一する要素
- ロゴ:同じロゴを全商品に
- 色:ブランドカラーを決める
- フォント:同じ書体を使う
原則⑤ 開けやすさ・使いやすさ
- 開封口が分かりやすい
- 再封可能(ジッパー付き袋、蓋付き容器)
- 持ちやすいサイズ、重さ
低コストで始めるパッケージ作成
【初級】既製品の袋・容器+シールラベル
方法
- 透明袋、クラフト袋、瓶などの既製品を購入
- 自分でデザインしたラベルシールを貼る
おすすめツール
- ラベルシール:A4サイズのシール用紙
- デザイン:Canva(無料)、PowerPoint、Word
コスト例:1個あたり20〜30円程度
【中級】印刷会社に発注
発注先の例
- ネット印刷(ラクスル、プリントパックなど)
- 地元の印刷会社
コスト例:1個あたり30〜100円程度
【上級】デザイナーに依頼
依頼先の例
- フリーランスデザイナー(ココナラ、クラウドワークスなど)
コスト例:ロゴ+パッケージデザインで10〜30万円
食品表示の基本
※以下は一般的な考え方です。必ず保健所や専門機関にご相談ください。
表示が必要な主な項目
- 名称:商品の一般的な名前
- 原材料名:使用した原材料を多い順に記載
- 内容量:グラム(g)、ミリリットル(ml)など
- 賞味期限または消費期限
- 保存方法
- 製造者または販売者:氏名、住所
- アレルゲン:卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そば、くるみ
- 栄養成分表示:一部の小規模事業者は省略可能な場合あり
表示のルール
- 文字の大きさ:原則8ポイント以上
- 表示場所:容器または包装の見やすい場所
- 言語:日本語で表示
対策:保健所に事前相談、食品表示の手引き(消費者庁)を確認
デザインと表示を両立させるレイアウト
パターン① 表面=デザイン、裏面=表示
- 表面:商品名、写真、キャッチコピー
- 裏面:原材料、賞味期限、製造者情報など
向いている商品:袋入り商品、箱入り商品
パターン② 一括表示欄を目立たせない工夫
- 表示欄を小さめの枠で囲む
- 背景色を薄くして、デザインを邪魔しない
向いている商品:瓶詰め、小袋商品
パッケージ作成の実務ステップ
- 商品の特性を整理する(ターゲット、販路、強み)
- 参考デザインを集める
- デザインの方向性を決める(色、フォント、キャッチコピー)
- 表示内容を保健所に相談
- 試作・印刷
- テスト販売で反応を見る
パッケージ改善のチェックリスト
- 3メートル離れても商品名が読めるか
- 商品の価値が一目で伝わるか
- ターゲット層に合ったデザインか
- 開けやすいか
- 法定表示項目がすべて記載されているか
- アレルゲンは正確に表示されているか
今日から始める5ステップ
- ターゲットと商品の強みを書き出す
- 参考デザインを3つ集める
- 保健所に表示内容を相談
- ラフデザインを手書きで描く
- 既製品+ラベルシールで試作
さいごに
パッケージは、商品の顔です。どんなに美味しい商品でも、パッケージが魅力的でなければ、手に取ってもらえません。一方で、法令を守らなければ、信頼を失い、販売もできません。
大切なのは、「売れる見た目」と「法令遵守」を両立させること。最初から完璧を目指す必要はありません。低コストで小さく始め、お客様の反応を見ながら改善していく。
まずは既製品の袋+手作りラベルから。そして保健所に相談しながら、正しい表示を。見た目と信頼、両方を大切に。
※食品表示の詳細は、必ず管轄の保健所または専門機関にご相談ください。