目次
はじめに
6次化で商品を作ったら、次は「知ってもらう」ことが必要です。広告費をかけずに認知を広げる最も有効な手段が、SNSとWebでの情報発信です。
しかし、多くの事業者が「何を投稿すればいいか分からない」「続かない」という壁にぶつかります。大切なのは、完璧な投稿を目指すことではなく、小さく続けること。そして、商品の宣伝だけでなく、日常や想いを伝えることで、ファンが育っていきます。
本コラムでは、投稿ネタの作り方、継続するための仕組み、そしてファンを増やす実践的なコツを、現場目線でお伝えします。
なぜSNS・Web発信が必要なのか
SNS・Web発信がもたらす4つの価値
① 認知の拡大
- 地域を超えて、全国の人に届く
- 検索やシェアで、思わぬ人に見つけてもらえる
② 信頼の構築
- 顔が見える、想いが伝わる
- 「この人から買いたい」という気持ちが生まれる
③ リピーターとのつながり
- 新商品、イベント情報を直接届けられる
- コメントやメッセージで対話ができる
④ 販売機会の創出
- 投稿を見て「買いたい」と思ってもらえる
- ECサイトやマルシェへの導線になる
ポイント:SNSは「売る場」ではなく、「関係を作る場」
主要SNS・Webツールの特徴と使い分け
【Instagram(インスタグラム)】
特徴
- 写真・動画がメイン
- 20〜40代の女性ユーザーが多い
- ハッシュタグで新規ユーザーにリーチ
向いている商品・事業者
- 見た目が魅力的な商品(スイーツ、加工品、農産物)
- 世界観・ストーリーを伝えたい
- ギフト・贈答用途の商品
投稿内容の例
- 商品の写真(断面、盛り付け、パッケージ)
- 製造過程、畑の様子
- お客様の声、使い方の提案
- イベント出店情報
【Facebook(フェイスブック)】
特徴
- 文章もしっかり読まれる
- 30〜60代のユーザーが中心
- 地域コミュニティ、グループ機能が強い
向いている商品・事業者
- 地域密着型の事業
- ストーリーや背景をしっかり伝えたい
- イベント告知、参加募集
投稿内容の例
- 商品開発の背景、想い
- 生産者の日常、季節の話題
- イベントレポート、お客様との交流
- 地域の情報、コラボ企画
【LINE公式アカウント】
特徴
- 登録者に直接メッセージを届けられる
- 開封率が高い(メールより読まれやすい)
- クーポン、予約機能が使える
向いている商品・事業者
- リピーター育成を重視
- 限定情報、特典を提供したい
- 予約販売、イベント告知
配信内容の例
- 新商品のお知らせ
- 限定販売、先行予約
- クーポン、特典情報
- レシピ、食べ方の提案
【自社ホームページ・ブログ】
特徴
- 情報を体系的にまとめられる
- 検索エンジン(Google)からの流入が期待できる
- 自分の「資産」として蓄積される
向いている商品・事業者
- 商品ラインナップが多い
- ストーリー、こだわりをしっかり伝えたい
- ECサイトと連携したい
掲載内容の例
- 商品一覧、価格、購入方法
- 生産者プロフィール、想い
- よくある質問、お客様の声
- ブログ(日々の活動、レシピなど)
投稿ネタの作り方
「何を投稿すればいいか分からない」を解決する、7つのネタカテゴリをご紹介します。
① 商品紹介
内容
- 商品の写真、特徴、価格
- 原材料、製法のこだわり
- サイズ、賞味期限、保存方法
投稿例
- 「米粉100%のシフォンケーキ。ふわふわ軽い食感が自慢です」
- 「地元◯◯農家のいちごを使ったジャム。砂糖だけで煮詰めました」
ポイント
- 商品の「良さ」を一言で伝える
- 写真は明るく、美味しそうに
② 製造過程・舞台裏
内容
- 仕込み、加工、包装の様子
- 道具、設備の紹介
- 失敗談、試行錯誤
投稿例
- 「今朝は5時から仕込み。生地を寝かせている間にパッケージ準備」
- 「試作3回目でやっと納得の味に。甘さ控えめがポイントです」
ポイント
- 「作っている人の顔」が見えると、信頼が生まれる
- 完璧でなくてOK。リアルな様子が共感を呼ぶ
③ 畑・原材料の様子
内容
- 収穫の様子、季節の移り変わり
- 生産者との交流
- 天候、作柄の話題
投稿例
- 「今年のトマトは甘みが強い!太陽をたっぷり浴びました」
- 「◯◯さんの畑で規格外きゅうりを分けてもらいました。これがピクルスに」
ポイント
- 「どこで、誰が作ったか」が見えると、安心感が生まれる
- 季節感が伝わる投稿は、シェアされやすい
④ お客様の声・使い方提案
内容
- お客様からの感想、レビュー
- 食べ方、使い方のアイデア
- ギフト、手土産の提案
投稿例
- 「『子どもがパクパク食べました』と嬉しいメッセージ!」
- 「ピクルスはサンドイッチに挟むと最高。お試しください」
ポイント
- お客様の声は、第三者の信頼になる(許可を得て掲載)
- 「こう使うと良い」という提案は、購入のきっかけになる
⑤ イベント・販売情報
内容
- マルシェ、イベント出店のお知らせ
- 新商品発売、限定販売
- 営業日、休業日の案内
投稿例
- 「今週末、◯◯マルシェに出店します!試食もご用意」
- 「季節限定のゆずジャム、今年は50個だけ。なくなり次第終了です」
ポイント
- 日時、場所、価格を明確に
- 「限定」「今だけ」は行動を促す
⑥ 日常・想い・ストーリー
内容
- なぜこの仕事を始めたか
- 大切にしていること
- 日々の気づき、感謝
投稿例
- 「規格外野菜を捨てるのがもったいなくて、加工を始めました」
- 「お客様の『美味しかった』の一言が、何よりの励みです」
ポイント
- 「人」に共感してもらうことで、ファンが育つ
- 売り込みではなく、想いを伝える
⑦ 地域・季節の話題
内容
- 地域のイベント、風景
- 季節の行事、旬の食材
- コラボ企画、地域の仲間紹介
投稿例
- 「桜が満開。春の訪れを感じながら、いちごジャムを仕込んでいます」
- 「近所の◯◯さんと一緒に、マルシェに出店します」
ポイント
- 地域の魅力を発信することで、地域全体のファンが増える
- コラボは互いのフォロワーにリーチできる
継続するための仕組みづくり
① 投稿カレンダーを作る
やり方
- 月初に、1ヶ月分の投稿予定を立てる
- 曜日ごとにテーマを決める
例
- 月曜:商品紹介
- 水曜:製造過程
- 金曜:イベント情報、お客様の声
効果
- 「何を投稿するか」で悩まなくなる
- 計画的に情報を出せる
② ネタをストックする
やり方
- 日常の中で「これ投稿できそう」と思ったら、写真を撮る
- スマホのフォルダに「SNS用」を作り、まとめておく
ストックしておくと便利な写真
- 商品の写真(複数アングル)
- 製造過程
- 畑、原材料
- イベントの様子
- お客様との交流(許可を得て)
効果
- 忙しい日でも、ストックから選んで投稿できる
③ 投稿時間を決める
おすすめの時間帯
- 朝7〜8時(通勤時間)
- 昼12〜13時(休憩時間)
- 夜20〜21時(リラックスタイム)
やり方
- 「毎週水曜の朝8時」など、ルーティン化する
- 予約投稿機能を使う(Instagram、Facebookは可能)
効果
- 習慣になり、続けやすい
- フォロワーも「この時間に投稿がある」と認識
④ 完璧を目指さない
よくある失敗
- 「良い写真が撮れるまで投稿しない」
- 「文章を何度も書き直して、結局投稿しない」
対策
- 60点でOK。投稿しないより、投稿する方が100倍良い
- スマホで撮った写真で十分
- 短い文章でOK(1〜3行でも伝わる)
ポイント
- 継続が最も大切。完璧主義は続かない
⑤ 反応を楽しむ
やり方
- 「いいね」「コメント」がついたら、必ず返信
- 「シェアしてくれた」「タグ付けしてくれた」ら、お礼を伝える
効果
- コミュニケーションが生まれ、ファンが育つ
- 「反応がある」とモチベーションが続く
今日から始める5ステップ
ステップ1:使うSNSを1つ決める
- 最初は1つに絞る(Instagram、Facebook、LINEのいずれか)
ステップ2:プロフィールを整える
- 何をしている人か、どこで買えるか、を明記
- プロフィール写真は、顔または商品
ステップ3:投稿カレンダーを作る
- 週1回から始める
- 曜日とテーマを決める
ステップ4:写真を10枚ストックする
- 商品、製造過程、畑など、今あるものでOK
ステップ5:1投稿目を投稿する
- 「はじめまして」の自己紹介でOK
- 完璧を目指さず、まず投稿
さいごに
SNS・Web発信は、「続けること」が最大の成果です。最初は反応が少なくても、3ヶ月、半年と続けることで、少しずつファンが増えていきます。
大切なのは、完璧な投稿ではなく、あなたの日常、想い、商品への愛情を、素直に伝えること。その積み重ねが、「この人から買いたい」という気持ちを育てます。
まずは週1回、1枚の写真と3行の文章から。小さく始めて、楽しみながら続ける。それが、ファンを増やす一番の近道です。
発信は、未来のお客様との出会いの種まき。
今日蒔いた種が、半年後、1年後に花開きます。