
目次
はじめに
「リロカリコクリ株式会社」は宮城県加美郡加美町に位置する企業です。空き家の維持・管理、サテライトオフィスの運営、地場産品の商品開発、そして農業を主軸にした地域貢献・振興まで、地域課題の解決に関わる事業を総合的に展開しています。今回はリロカリコクリ株式会社 代表取締役 米津岳さんにお話を伺いました。
【リロカリコクリとは】
Life Re-localization in Regional co-creationを略してリロカリコクリ。
地域共創における生活の地域回帰という意味の造語です。
「田舎で創り田舎で過ごそう」という思いが込められています。
支援事業参加の背景と、伴走支援で描いた拡張戦略
Q.支援事業に参加したきっかけは何ですか?
当時の委託担当の方から声をかけてもらったのがきっかけです。事業の継続・拡大の道筋に悩んでおり、専門家に伴走してもらいながら「今後どう事業を拡大していくか」を計画したかったタイミングでした。過疎地域に必要なのは「雇用」と「人材育成」。それを実現するには事業拡大が不可欠という前提で、一緒に拡張計画づくりを進めました。
Q.実際に参加してみてどうでしたか?
中小企業診断士の方と事業の実態や課題を具体的に議論できたのが大きかったです。厳しい指摘にイラっとする場面もありましたが、会社運営に真剣に向き合うきっかけになりました。理想と現実を見極めつつ「理想を突き詰めるために、実現計画を数字と行動に落とす」姿勢が定着しました。東北農都総研さん等とのつながりも生まれ、ビジネスマッチングなど事業面のサポートが今も続いています。この計画がなかったら売上1,000万円には届かなかったかなと思います。視野と実行力を広げる起点になりました。
事業の軸—“地域に必要とされるか”、そして“人を大切にする”
Q.事業を進めるうえで大切にしていることは何ですか?
「その地域にとって必要とされているか」を最重要の軸に置いています。同じくらい「社員を大切にする」ことも重視しています。法人である以上、社会貢献が目的です。その中に、社員を大切にする、地域課題を見つける、雇用を作る、人材育成をする—といったミッションが入ってきます。空き家の利活用、移住定住の支援、地場産品の開発、農業の実践も、すべて地域課題の解決に繋がる流れの中に位置づけています。
事業の柱—“地域と共に創る”3本のコア
Q.事業の柱は何ですか?
3つの柱で展開しています。
- コクリ農園
CO-CREATION=共に創る
移住先の空き家に“広大な農地”が付いていたことがきっかけで、未経験ながら「とりあえずやってみよう」という精神で農業を始めました。主な作付けはさつまいも・じゃがいも。ほかにも少量多品目で年間約80種類の野菜を栽培しています(栽培期間中は農薬不使用)。思い通りに育たないもどかしさもありますが、自分で育てた野菜はやはり格別。畑で収穫したその場でかぶりつく—都会の皆さんにも体験してほしい“人生で一番贅沢”とも思える瞬間を、野菜と体験を通じて届けています。販売は地元直売所・マルシェ・インターネットを中心に行っています。
- 空き家の維持管理
空き家は「悪者」ではありません。家はその時代、その生活を映す“鏡”のような存在。人が住まなくなると途端に痛みが進むからこそ、適切な維持管理で住み続けられる状態を保つことが重要です。所有者に代わり、空気の入れ替え・点検・簡易清掃などの管理を行い、家の思いを次へ“つむぐ”サポートをします。空き家の放置が景観・衛生・安全・防犯に及ぼす影響を踏まえ、「管理と利活用」へつなげる取り組みです。
- 小野田SO(サテライトオフィス) Mow-Mow
元牛舎だった建物をリノベーションして誕生した宿泊できるオフィスです。自然豊かな環境の中で仕事に集中できるよう設計し、コワーキングスペースとしての一時利用や、移住体験としての宿泊利用も可能で、「田舎で創り田舎で過ごそう」を体感できる拠点として運営しています。

6次化を目指す方へ—“やめるな”、理想に数字と共創を
Q.6次化に挑戦する事業者・生産者へのアドバイスをお願いします。
一言で言えば「やめるな」です。できない、意味がない、売れない…と言われることもあると思います。それで諦めるくらいなら最初からやらない方がましです。多様な意見に振り回されすぎず、自分の“軸”に必要な要素を付け足しながら前へ進んでください。融資や資金調達を目指すなら「数字」は不可欠です。ただし、それだけでは不十分で「熱意」と「信頼」も同じくらい重要です。達成できると自分が本気で思えるかどうか。そのうえで、地域で6次化を進めるなら「地域と共に創る(共創)」ことが鍵になります。地域の人、行政、支援機関、事業者同士が課題と資源を持ち寄り、一緒に事業を形にする—競い合うより“共に創る”姿勢が持続性を生みます。
地域の課題を事業に変え、暮らしの基盤を強くする——リロカリコクリの実践は、6次化を地域と共に創るプロジェクトへ押し広げています。「田舎で創り田舎で過ごそう」という合言葉のもと、コクリ農園・空き家の維持管理・小野田SO Mow-Mowの三本柱が、人と仕事と住まいをつなぎ直していきます。これから地域資源の活用を考えている方は、是非リロカリコクリの取り組みを参考にしてみてください。次の一歩を踏み出すきっかけになりましたら幸いです。
【インタビュー企業】
リロカリコクリ株式会社
HP:https://re-localicocre.com/
リロカリコクリ株式会社 @re_localicocre
小野田サテライトオフィスMow-Mow @onoda.so.mow_mow
代表取締役 米津岳 @gyonezu