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後編:自然卵農園の挑戦 ~震災からの再出発、働き方の受け皿、そして「やさしさ」で育てる6次化~

はじめに

「自然卵農園株式会社」は南三陸町に位置し、自社養鶏場にてこだわりの自然卵「卵皇(らおう)」を生産。また、「卵皇(らおう)」を核に、クレープやプリンなどの菓子を製造・販売している企業です。2004年のキッチンカーからスタートし、現在は青葉区五橋の「自然卵のクレープ 五橋店」と、南三陸町ハマーレ歌津商店街の工場兼店舗を運営。店舗運営に加え、卸売やフランチャイズ展開にも取り組んでいます。後編では、震災を乗り越え、自然養鶏と菓子づくりを融合させて歩んできた代表取締役 大沼あかねさんに、事業の起点などについて伺いました。

事業の始まりと震災—自然養鶏への転機

Q.事業を始めたきっかけは?

嫁ぎ先の商店街で夜市があり、そこでクレープを出したのが始まりです。当時(約30年前)は仙台以外でクレープが珍しく、2004年にキッチンカーを始めると子どもたちの行列ができました。

Q.震災後の歩みは?

2011年の東日本大震災で自宅やキッチンカー、全てを失いました。悩んだ末、自然養鶏に挑戦を決め、家族で北海道・江別市に移住して研修を受けました。研修2年目には小さなクレープ店も開店し、札幌近郊で受け入れられるか販売実習。2012年末に夫が先に帰郷し鶏舎準備、2013年4月に家族で帰省し就農しました。同年10月、南三陸町の復興商店街に空きが出て内装を自前で整え、11月に開店しました。

フランチャイズ展開—多様な働き方の受け皿に

Q.フランチャイズ化のきっかけは何ですか?

北海道の時のお店が最初のフランチャイジーです。働いていた女性が名乗りを上げ、フランチャイジーになってくださいました。その後も、「私もキッチンカーをやりたい」と主婦の方々からも声があり、徐々にフランチャイズ展開をしていきました。半数は主婦で、シングルマザーも多く、短時間で自分の時間を確保したいというニーズに合致しました。保証はありませんが、柔軟な働き方の選択肢になっています。

大切にしていること

Q.事業を進める中で、一番大切にしていることは?

「やさしさ」です。従業員は女性が多く(養鶏場は男性ですが)、細かな気遣いが良いサービスにつながると信じています。お客様にも、働く人にも、やさしい現場をつくることが事業の土台です。

6次化を目指す方へ

Q.生産者への応援メッセージをお願いします。

6次化は「小さく始められる」のが魅力です。商売になる・ならないに関係なく、まず一度作ってみる。今はレンタルキッチンもあり、試しやすい環境です。作って、どこかに持っていく。原料の良さを一番わかっているのは、生産者自身。あなたが作った商品が、いちばんおいしいはずです。

さいごに

震災を越えて生まれた自然卵「卵皇」と、素材を活かす職人技。そこに循環型の飼育と、現場を支える「やさしさ」が重なって、自然卵農園の6次化は強くやさしく前に進んできました。生産者だからこそ見える原料の良さを信じて、一歩を踏み出すきっかけとなりましたら幸いです。

 


[インタビュー企業]

自然卵農園株式会社

「自然卵農園菓子工房」 Instagram @sizentamago_kasikoubou

南三陸町ハマーレ歌津商店街内

https://hamare-utatsu.com/welcome/welcome.cgi?item=231128152020

 

「自然卵のクレープ 五橋店」 Instagram @ofm_szts

宮城県仙台市青葉区五橋2丁目11−18  第三ショーケービル壱号館1F

五橋駅(南出口1)より徒歩3分